
OUR HISTORY
こうして『アジェンダやまがた』は生まれました
障がい児の幸せは、親と周りがつくるもの。
自分でできることの最初の一歩は、
娘と息子のためにつくった音楽教室『音楽ひろば』でした。


希望を抱き、故郷へUターン
新しい生活がスタート
2004年、東京から自身の故郷である山形県山形市に夫と長女とともにUターン。娘さんは当時2歳、小さくてかわいい盛り。明るく楽しい家族の未来を思い浮かべながら、懐かしい山形で家族3人で新しい生活をスタートをさせる。
ところが、「娘は当時2歳、かわいい盛りのはずだった」と振り返るのは、認定特定非営利活動法人『アジェンダやまがた』児玉千賀子代表である。それは、娘さんは人と違う「障害特性をもつ子ども」であること、それでも心の片隅では「治るのではないか」という思いを捨てきれずにいた、と当時の心境を語る。
娘さんが成長し、幼稚園や保育園に通う年齢になると、幼稚園に行くことができない我が子が唯一、通うことができる場所は障がい児施設。児玉のように、障がいをもつ子どもを抱える親が心から求めているのは「希望」、故に児玉も当時は、子どもの特徴に合わせた改善策を徹底的に探し続ける日々であった。しかし、納得のゆく方針を持って指導してくれる場所は見つからず、施設で提供される「訓練」は子どもにあっているのだろうか。何より親子ともに求める「楽しい場所、希望」を見つけることができなかったと語る。
障がい児の幸せは、親と周りの環境がつくるもの。
自分ができることから始めなさい
2008年、山形県で冬季スペシャルオリンピックス(知的障がい者対象)が開催され、公益財団法人スペシャルオリンピックス日本・名誉会長の細川佳代子氏との出会いが、児玉の不安や悩みを一気に吹き飛ばしてくれた。当時の児玉の悩みや現状を聞いた細川氏のアドバイスは「自分ができることから始めなさい」という言葉であった。悩み続けて塞がった児玉の心に一瞬にして希望の光が差し込んだ瞬間、そして楽しい場所、希望がないなら「自分で創ろう!」。ここから「音楽なかまプリモ」開業へと邁進する。
私にできることは?
児玉自身ができることを考えた時に「大好きな音楽なら」と、娘と息子のために音楽教室『音楽ひろば』を街なかの山形市七日町でスタートさせた。この事業が、2010年(平成22年度)年福祉医療機構(WAM)助成事業に採択、助成を受けて1年間運営した。そこから、障がい児対象の音楽サービスに特化した『アジェンダやまがた』は、2011年「音楽なかまプリモ」として通所支援事業認可を受ける。4名の職員で事業を開始、開所するための最低人数でのスタートだ。

世界の子どもたちに音楽の喜びを届ける
多くの子どもたちと接しながら、自身らも学び、考え、課題を解決しながら音楽を使ってできること、そこから「音楽をコミュニケーションツールとして、発達を促す方法」を独自で導き出した。さらに行政から3事業の行政認可を受け、乳幼児から青年期までノンストップで支援を提供、~音楽で心をひらき、耳をひらく~音楽指導法「こだまメソッド」を実践する場となった。『認定特定非営利活動活動法人 アジェンダやまがた』。
一人ひとりの個性や課題に合わせた「個別・グループ」のプログラムで、音楽による「療育」と「教育」を行う。その他、音楽による支援方法の研究を行い、日本音楽療法学会での研究発表や特別支援教育の教材開発、地域の方々に披露するコンサートや出張レッスンなど、地域に根ざしながら、音楽の可能性をどんどん広げている。2022年には、音楽を楽しみ技術を高める「インクルージョンコース」も開講し、障がいの有無に関わらず互いの個性を認め合いながら音楽を楽しむクラスや、音大受験やコンクール対策コースなども用意している。
「自分ができることから、始めなさい」一人で悩み続けた日々の中、背中を押された言葉を機に、多くの出会いと笑顔に触れる日々へと変わった今日。音楽にゴールは無いのと同様に『アジェンダやまがた』もまた、代表の児玉と一緒にスタッフ一丸となって進化し続けていく。
代表挨拶
GREETING
『認定特定非営利活動法人 アジェンダやまがた』は、山形市の中心市街地商店街の活性化を課題とし、任意団体として平成19年に活動を開始しました。公共施設が周辺部へ移動し、大規模集客施設が農地の用途変更により開発が進む中、山形市の都市計画マスタープランに一石投じたいとの思いで、多方面にわたる活動を展開して参りました。
活動当初の平成19~23年までは、七日町にて『まちなかサロン なのか』を開設し、各種イベントの開催、大人向けカルチャー教室や乳幼児向けの音楽教室の主宰など、来街者を増やすための活動を継続して参りました。 活動を継続する中で、郊外型の商業施設の利用が中心と思っていた子育て世代、とりわけ乳幼児~小学生を持つ保護者に潜在的な『中心市街地を利用したい』というニーズがあることを把握し、お子様対象の音楽教室を充実させたところ、ご利用の皆様より、長期的なサービスの提供へのご要望、ご支援をいただくことができました。
以後「福祉事業による中心市街地活性化」をテーマに掲げて活動を継続し、平成23年に障がい児の発達支援のための音楽を活用した療育を提供する指定障がい児通所支援事業所“音楽なかまプリモ”を、平成26年には“音楽なかま アンジェリ”令和2年には“音楽サロン リナッシェ”を開設し、地域で必要とされている福祉サービスを事業展開して今日に至ります。
平成29年12月には、活動にご賛同くださった皆様のご支援により、認定特定非営利活動法人としての認定を受けることができました。今後も、地域の皆様、アジェンダやまがた会員様、ご利用者様からのお声に真摯に耳を傾け、この地域で必要とされる、より開かれたNPO法人を目指して、事業を構築して参ります。
代表理事 児玉千賀子
PROFILE
児玉 千賀子 Chikako Kodama
認定NPO法人アジェンダやまがた 代表理事、桐朋学園大学演奏学科声楽専攻卒業。山形市出身、東京で結婚後に2004年に山形市へ帰る。2007 年に団体設立。2011年に音楽による指定障害児通所支援事業所「音楽なかまプリモ」を開業。こころと耳をひらくピアノ導入テキストあぷり~れを全音楽譜出版社から出版。一音木琴あるもなどの音楽教材を開発し、音楽療法、音楽教育の両面から障害児にアプローチしている。日本音楽療法学会認定音楽療法士。

沿革
2007年 9月1日
(平成19年)
任意法人アジェンダやまがた設立
同時に「ほっとなるサロンなのか」を山形市七日町にて開設
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2010年 4月9日
(平成22年)
特定非営利活動法人( NPO法人 )アジェンダやまがた設立
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2010年度
(平成22年)
福祉医療機構( WAM )の2010度社会福祉振興助成事業に採択
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2011年 9月1日
(平成23年)
事業所としての「音楽なかまプリモ」の開設と「児童デイサービス」の事業者指定
初めて「音楽なかまプリモ」の名前が表に出る
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2012年 9月1日
(平成24年)
山形市七日町から木の実町へ移転し活動継続
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2012年 10月12日
(平成24年)
「音楽なかまプリモ」の「児童発達支援」及び「放課後等デイサービス」の事業者指定
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2014年 4月1日
(平成26年)
「音楽なかまアンジェリ」の開設と登録
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2017年 12月15日
(平成29年)
山形県より、認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)として認定
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2020年 4月1日
(令和2年)
「音楽サロン リナッシェ」の地域生活支援事業所の開設と登録
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2021年 4月1日
(令和3年)
「音楽アカデミア ラルテ」の開設
※行政の支援にたよらない自費全負担のレッスン教室
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2021年 12月1日
(令和3年)
山形市木の実町からあこや町へ移転し活動継続
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2022年 4月
(令和4年)
音楽を楽しみ技術を高める「インクルージョンコース」開講
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2022年 1月
(令和4年)
自社及び富岡本店にて「一音木琴あるも」を販売開始
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2022年 4月
(令和4年)
全音楽譜出版社にて「あぷり~れ」を販売開始
同時に全国各地へ講習会の開催